甘い、塩辛い、酸っぱいなど、味覚に色んな味があるかと思いますが、
「ピリっ」と痺れるような、麻痺するような味覚を経験したことはありますか?

私が住んでいる北部パラ州には、痺れるような感覚の食材を使った郷土料理があります。
この食材の名前は、その感覚の名の通り、しびれ草と呼び、ポルトガル語でJambuと呼ばれ、
学名ではAcmella oleraceaと呼ばれているキク科の植物です。
痺れる感覚!? ジャンブーとは!?
この痺れ草(以下 ジャンブー)は、一口噛むとピリピリっと痺れる感覚があります。
ジャンブーには、食欲増進の効果もありますが、麻酔効果もあります。
昔、歯痛治療の麻酔薬としても用いられていました。
初めて食べると舌が痺れるので、危ない感じもするのですが、
ベレンの日系人は、おひたし等の料理にも使います。
ジャンブーの舌が痺れる麻痺度は、鮮度が落ちているものほど、あまり麻痺する感覚にはならず、
新鮮なジャンブーを使っているほど、舌が麻痺する感覚になります。
痺れる感覚を味わいたい!?舌が痺れるお酒
パラ州の首都ベレンには、この痺れる感覚を体験出来る料理やお酒が沢山あります。
その中でも、一番痺れる感覚を味わえるのは、ジャンブーで作った焼酎!!
このお酒、飲むとビリビリと舌が痺れ、何とも言えない感覚を味わうことが出来ます。
何度飲んでも、この感覚が堪らなく、クセになります。
元祖ジャンブー焼酎のお店は、こちら!
Bar Meu Garoto

Rua Senador Manoel Barata, 917 – Campina, Belém – PA
ベレンが誇る魅惑のスープ
つぎは、ベレンが誇る魅惑のスープをご紹介します。
日本人にとって、お味噌汁のような感覚で飲めるスープなのですが、
ベレンの地元の人々は、食前に飲みます。
痺れる感覚を味わえる郷土スープの名は、タカカ(Tacacá)。

この何とも言えない毒々しい色。
この黄色の正体は、トゥクピーというマンジョッカ(芋)から作られています。
マンジョッカは、シアン化合物という毒を含んでいるので、生では食べることが出来ません。
このタカカは、ジャンブーというしびれ草、マンジョッカのしぼり汁の酸っぱさが合わさって、
酸っぱくもあり、痺れる感覚にもなるという不思議な感覚になります。
痺れるというだけでも、ちょっと遠慮したいのに、
毒入り食材も使っているスープなんて、危険な感じしかしません。
でも、ご安心を!
タカカは、ちゃんと調理され、地元の人に愛されるほど、今日までの地位を築いてきました。
トゥクピーの調理工程は、マンジョッカの外皮を剥いて、すりおろしたものを絞ります。
この絞り汁は、時間が経つと、固形部分と液体部分に分離します。
固形部分は、ゴマと呼ばれ、水で何度か洗った後に乾燥されます。
出来上がったものは、ブラジル人が愛するタピオカ粉になります!
分離した液体部分が、スープの黄色い正体であるトゥクピーです。
まだ、この段階では、液体に毒が含まれているので、
3~5日間かけて煮込むことにより、毒素を取り除いていきます。
タカカは、スープの酸味の中に、ジャンブーと干しエビが入っているので、
舌が痺れる感覚と干しエビから出る塩分が、スープによく合い、
スープの虜になる程、癖になります。
オススメのタカカは、こちら↓
Tacacá da Vileta
Av. Duque de Caxias (Tv. Vileta)
Belém, PA
営業時間 16:00〜23:00
地元の方しか通わないので、お店側にビックリされましたが、
ぜひ行っていただきたいお店です。
まとめ
ちょっと不思議な感覚になる、ジャンブー。
痺れる感覚と毒入り食材を使った料理なんて、聞いただけでも食べるのが怖いですが、
一回食べると、クセになる味!?
今回は、ベレンが誇る郷土スープと不思議な感覚になるお酒を紹介しました。